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Beauty > Beauty特集 vol.3 - 向島芸者に学ぶ極上の女の心得
美しい着物を颯爽と着こなす、その姿は女性の憧れ。
繊細な仕草と妖艶な眼差しで、殿方を仕留めるハンターの名は…
そう、『芸者』さん!
『極上のオンナ』を職業として花柳界で生きる、東京向島の芸者、比奈子さんに、オンナの心得を話していただきました。
比奈子さんが芸者を目指したキッカケは、何だったのでしょうか。

まだ学生で秋田にいた頃、中村喜春さんという新橋の芸者だった人が書いた「江戸っ子芸者一代記」という本を読みまして、この平成の世に、まだ芸者さんがいるんだ、と感動したんです。「芸は売っても身は売らない」とか、「お客さまは目で殺す」とか(笑)
そういう、仕草とか心意気とかがカッコイイと思って、なってみたいと思ったんです。
芸者さんって、どんなお仕事なんでしょう。

お座敷を盛り上げるお仕事なんですけど。盛り上げるだけでなくて、絶滅に瀕している日本文化を伝えていくお仕事であると思っています。例えば、ずーっと昔から続いてる踊りや曲を歌ってみたりとか、お座敷遊びをしてみたり、昔の言葉遣いをしてみたり。
例えば、この辺は「ひ」が言えないんですよ。江戸弁では「ひ」が「し」になるので、「アサヒビール」じゃなくて「アサシビール」。だから、お姐さんは私の名前を紹介をするときにちょっと困るみたいですよ。「しなこ」でございます。ってね(笑)
日々のスケジュールを教えてください。

唄や踊りのお稽古がある日は、朝9時頃には起きます。起き抜けにお水を飲んで、お腹がすいていたらご飯を一杯くらい食べて、着物に着替えてお稽古に行きます。早めに行って、裏でおさらいをして、お稽古して、終わると髪結さん(美容院)に行って、ご飯を食べて、お風呂に入って、支度してお座敷に出ます。お座敷が終わるのは11時半過ぎ。その後にお客様と飲みに行くと、帰りは深夜になることもあります。
私は、清元(唄と三味線)と踊りを習っていますが、それぞれ月に5日づつお稽古があります。多い人は3つも4つもお稽古事を掛け持ちしているから、とても大変だと思いますよ。
毎日忙しい中、美しさはどうやって維持されているのでしょうか?

エステは月に1回くらい。あまり頻繁には行かないようにしています。後は、週に1〜2回ほど、プラセンタとビタミン注射を打っています。お酒を毎日飲むので、内面からのケアは欠かせません。むくまないように、ハーブティーを飲んだりもします。
女将さんには「あなたたちは商品なんだから、自己管理しないとお座敷かからなくなるわよ。太りすぎると着る着物がなくなるから気をつけてねっ」とよく言われます(笑)
自己管理できないと、自分がつらいだけですから、やっぱり頑張って、見た目には気を遣っています。
芸者さんになってよかったと思うのは、どんな時ですか? また、逆につらいと思うことはありますか?

自分で飲み過ぎてしまってつらいなとか(笑)お稽古が朝早くてつらいなとかは思いますけど。そのほかにはありません。なってよかったなと思うことの方が多いです。特に、毎日四季に触れられるのがうれしい。お料理でも、夏だとお茄子と鮎がでたりとか、秋は松茸や栗がでたりだとかするのを見て、ああもうこんな季節なんだと思います。お座敷のなかの飾り物も変わりますし、お着物も柄が変わりますから。
美しい身のこなしのコツを教えてください!

所作は、踊りで学ぶ部分が大きいですね。あとは、なるべくゆっくり落ち着いて、ひと息ついてから行動するようにしています。ガチャガチャして、着物をひっかけてしまったり、グラスを倒してしまったりすると、やっぱりお客様が…。なごみに来ているのに、逆に疲れちゃうでしょう(笑)
お座敷にいらっしゃる方は、私生活のことを忘れたいんじゃないかと思うので、生活感を出さないように心がけています。
比奈子さんも別の方の所作の美しさに憧れたりするのでしょうか?

「お酌の仕方が伝説」だと言われるお姐さんがいるんです。なんていうんですかね、ふわっとお酌をするんですよね。話し方もとっても上品で。真似しようと思ってもなかなか…。
上手に会話を進めるポイントがあったら教えてください!

お話をするときは、正面からだと角が立つので、斜めからスッと入って行くようにしています。話題はお客様によって変えますが、私は食いしん坊なので、食べ物の話が多いかもしれませんね。また、出身地を伺って、その土地のお話をすると、結構心を開いてくれる方が多いです。知らない場所でも「どんなところなんですかー?」と聞くだけでも話が広がります。
あと、お姐さんを見ていて思うのは「間」の大切さ。その「間」でお客様に考えさせたり、言葉のキャッチボールじゃないですけど、自分ばかりおしゃべりせず、相手にゆずってお客様に話していただくようなやりとりを心がけています。
最近、男言葉を使う女性を見ると、「黙ってればかわいいのに」ともったいないく思います。ちゃんと話せばもっと可愛くなれるのにって。
常日頃、女性を花に例えたいと思っています。乱暴な仕草をすると花びらが散ってしまうんですね。だから、花びらを落とさないように気をつけているんですよ。