おりもの

おりもの 成熟した女性なら誰にでもあるおりもの。でも、意外におりものについては知らないものです。量やにおいなどかなり個人差があるので、あまり心配はいりません。

●おりものってなに?


おりものは、女性の性器から出るいろいろな分泌液。子宮頚部や子宮内膜、バルトリン腺や膣粘膜などからのい分泌液が混ざったものです。卵巣から分泌される女性ホルモンのひとつである卵胞ホルモン(エストロゲン)とかかわりが深く、初潮の少し前から分泌され、20代の成熟期に入ると量も増えます。そして40代以降の更年期に入ると、おりものの量はすこしずつ減ってきます。20〜30代の成熟期には、個人差はあるものの、多少のおりものがいつもあるのが普通です。

●おりものの役割


【子宮や卵巣を雑菌から守る】
膣口には肛門や尿道口の近くにあり、体の常在菌である大腸菌やブドウ球菌が侵入しやすい環境にあります。そこで、おりものが入ってきた病原体を洗い流してくれるというわけです。ちょうど目にゴミが入ると涙がたくさん出るのと同じ。特に20代〜30代は生殖のためにセックスが多くなる時期なので、病原体が入る確率も高く、おりものの量は増えます。セックスの後や風邪をひいたりして体の抵抗力が落ちているとき、妊娠中も自浄作用が高まって量が増えます。


【受精を助ける】
排卵期には、子宮頸管からの粘液が増えて、通常は酸性の膣内がアルカリ性になります。アルカリ性を好む精子が入りやすい環境になるのです。


●どんなおりものが普通?


汗かきの人とそうでない人がいるように、おりものの量や状態にもかなり個人差がありますし、年齢や体調によっても変化します。通常、色は透明から白っぽい色で、下着について乾くと黄色っぽくなります。膣内は酸性なので甘酸っぱいにおいがしますが、生理前にはにおいがきつくなります。量は、あまり感じない人から、鼻汁のようなおりものが下着からしみ出してしまうほど多い人までさまざまです。


●おりもののリズム


おりものはホルモンのリズムにあわせて変化します。一般的に生理直後は量が少なく、徐々に増えて排卵期になると最も量が増えます。透明で粘り化があり卵の白身のようにドロッとしたおりものが出てくることも。排卵の時、少し血が混じることもあります。排卵後は白っぽくしたり、においがきつくなります。

●心配なおりもの


色や量、においがいつもとちがっていたり、かゆみや痛みがあるなどの症状があれば、早めに受診しましょう。性感染症のひとつであるクラミジア感染症は、卵管炎や不妊などの原因にもなりますが、白い粘液状のおりものが増える程度の自覚症状しかありません。普段から自分のおりものをよく観察しておくことが大切です。

おりものの異常
おりものの状態 考えられる病気
白いかす状やヨーグルト状で、かゆみをともなう
カンジタ膣炎
黄緑色のうみ状、悪臭をともなうことも
クラミジア感染症
子宮頚管炎
淋病
黄緑色で細かい泡状、かゆもをともなう
トリコモナス膣炎
茶褐色かピンク色で、悪臭をともなうことも
卵巣機能不全による出血
子宮がん
子宮頚管ポリープ
子宮筋腫
単純性膣炎
茶褐色かうみ状で、悪臭をともなう
タンポンや避妊具の出し忘れ
量が多い
子宮頚部びらん
単純性膣炎


●快適に過ごすために

病気などの異常がなくても、量が多ければ不快なもの。そんなときはおりものシートを利用すれば快適です。ただし、つけっぱなしに気をつけて、まめに取り替えましょう。おりものが多いときや生理の後、セックスの後などにビデを利用するのもおすすめですが、使いすぎには注意。膣の自浄作用が低下して感染を起こしやすくなります。むれないように通気性のいい下着をつけることも大切です。

text/Mami Kakuta
illustration/Tomoe Sasaki
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