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不動産不況の今、不動産会社が抱えている首都圏新築マンションの在庫物件は11,000戸を突破している。このうち約半数は、完成後も売れ残ってしまった「完成済物件」。このような状況は買い手にとって好ましいことなのか? そのメリット・デメリットを検証し、在庫物件11,000戸時代のトクする住まい購入術を探る。


不動産不況の影響により発生した多くの在庫物件

米国のサブプライムローン問題に端を発した世界的な不況により、昨年末から不動産市況は急速に冷え込んでいる。その背景には景気の後退に加えて、2007年から大幅に物件価格が高騰したことによりユーザーの購入意欲は減少。その結果、不動産の契約率は下がり、不動産ディベロッパーは数多くの在庫を抱えることになった。同時に、倒産する不動産ディベロッパーが増え、まさに今、不動産業界は混沌とした状態といえる。しかし、危機的状況にある不動産ディベロッパーに対して、ユーザーにとって、この機会は絶好のチャンス。

在庫物件が増加した主な理由

(2009年1月末現在 不動産経済研究所調べ・首都圏マンション市場動向)

不動産不況の今、「完成済物件」が狙い目

冒頭で触れたように、不動産会社が抱える在庫物件のなかには「完成済物件」も半数程度含まれている。これらは未完成のうちに売買する「青田売り」が一般的な新築マンションにあって、完成まで売れ残ってしまったものが大半だ。2009年3月期から会計基準の厳格化などにより、各不動産ディベロッパーは在庫物件を減らしたいという意向がある。その結果、不動産ディベロッパーの中には大幅な値下げや、家具等をつけるなど、数々のサービスを実施している。そのため在庫物件の中でも特に完成済物件は、まさに今、買い時を迎えている。もともとメリットが多く、人気の高い完成済物件だが、在庫数が増えている現在、選択肢の多さからますます注目されている。以下に、買い手にとってのメリット、デメリットをまとめてみた。

今だから享受できる完成済物件のメリット・デメリット 完成済物件が豊富なため、選択肢が多い。 完成済物件が多いため、かつてない高スペック(仕様)物件が割安価格に。 景気の影響で、さらに金利が低くなった。 値下げをしているうえ、売るために販売会社も各種キャンペーンを競っている。 売れ残った物件を買うイメージがある。

完成済物件なら入居後のイメージがしやすい

そもそも完成済物件には通常の新築マンションの販売方法「青田売り」とは異なり、実際に内装などを確かめることができるというメリットがある。ここでは改めて、完成済物件のメリットをまとめてみた。もちろん、完成済みなので間取り変更ができないといったデメリットはあるものの、これも気に入った物件があれば解決すること。入居後に「こんなはずでは...」を避けることができる完成済み物件は、狙い目といえるだろう。

完成済物件ならではのメリット・デメリット 未完成の段階で契約するより、値下げされた価格で購入できる。 すでに完成された物件なので、入居後の生活をリアルにイメージできる。 契約後、すぐに入居できるため、予定が立てやすい。 契約から完成・引渡しまでの間に起こる様々な不安がない。 完成済みのため、間取り変更などの要望ができない。

column 今後の不動産市況の推移

今は買い手市場だが、在庫調整が終われば再び値段は上がっていくだろう

不動産コンサルタント 平野 雅之氏
20年を超える不動産媒介業務の経験を活かし、不動産コンサルタント事務所を開設。新聞や雑誌、テレビなどメディアで大活躍。
http://www.reex-brain.com/

「今、不動産不況で空前の買い手市場を迎えていますが、在庫物件が今のように増え続けることはないため、今後もこのような状況が続いてはいかないでしょう。マンションの建築は大規模なだけに、計画から完成まで2、3年の時間を要します。つまり今、在庫となっているマンションは、すべてマンションブームの最中に計画されたもの。値下げをして安く販売することで在庫が減ってくれば、不動産会社が新たに建てるマンションは確実に売れるものだけに数を絞ってきます。

首都圏 新築マンション価格の推移
※(株)不動産経済研究所の発表資料をもとに作成

折りしも今、団塊世代に次いで人口に占める割合が多い団塊ジュニア世代が購入適齢期を迎えています。ニーズは確実にあるので、現在のような供給過剰状態は早晩、解消されるでしょう。当然、価格も原価割れのような状態を脱し、実販売価格は上がっていくと考えるのが自然であり、今と同じようなスペックと価格の物件を購入するなら、今が買い時と言えます。ちなみに計画から完成までの時間が短い戸建ては、マンションより早く在庫調整が行われます。お得な在庫物件を検討したいなら、できるだけ早く動くのがポイントでしょう」

※本特集の内容は2009年3月5日現在のものです。


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