ダイエット

地中海式ダイエット

chichukai_diet1_01_01
2023年10月17日に放送された
NHK「あさイチ」の「ツイQ楽ワザ 常識が覆る!?」
というコーナーでオリーブオイル活用術が紹介されました!
脂肪燃焼効果が期待できるオリーブオイルが
再注目されています。

実際、オリーブオイルを摂取すると健康的になり、
むしろ痩せるのだと言われています。

そんなオリーブオイルのダイエット効果を利用したのが、
「地中海式ダイエット」なのです。
「ダイエットが続かない・・・」
「食事制限をした後、反動で過食になり、結局リバウンドしてしまった!」
「運動したくない、もしくはする暇がない」
chichukai_diet1_pic01
皆さんの中には、「ダイエット」と聞くと面倒なカロリー計算や
過酷な食事制限、さらには毎日欠かさず運動することなど、
何かとハードなイメージを持たれる方が多いのではないでしょうか。
また、糖分や脂肪分をただ減らすだけのダイエットは、
結局反動がきて食べ過ぎてしまい、リバウンドを引き起しかねません。
しかし、数多くのダイエット法の中でも、油を存分に摂取しながら、
食事の量を減らすこともなく、美味しく楽しく食べることのできる方法があるのです!
その画期的な方法が、今回ご紹介する「地中海ダイエット」と
呼ばれるダイエット法なのです。

「地中海ダイエット」と聞いても、あまり耳慣れない方は多いでしょう。

しかし、実は一般的にはすでに広く知れ渡っている方法でもあるのです。

この地中海ダイエットでは、あのオリーブの実を絞って取れるオリーブオイルを多用します。

「オリーブオイルは健康に良い」

「オリーブオイルを飲んで痩せた」という情報は、皆さん、頻繁に耳にしているのではないでしょうか。

chichukai_diet1_pic02

一時期、20年ほど前に日本国内において「オリーブオイルブーム」が巻き起こりました。

オリーブオイルは、「一価不和脂肪酸」という油であり、「オレイン酸」という脂肪酸が他の油と比べて格段に多いことにより、血中の悪玉コレステロールを下げる働きがあるという優れた特長があります。

これまで日本人の食生活に欠かせなかったサラダ油や肉の脂肪、バターなどの血中コレステロール値を上げて生活習慣病を促進する「飽和脂肪酸」に替わる、救世主的な存在として大いに注目を浴びたのです。

この時期から、日本の食卓には、頻繁にオリーブオイルが登場するようになり、パスタやサラダにかけて使用されるなど、様々なシーンで活用されるようになりました。

そして、スーパーには様々な種類のオリーブオイルが並ぶようになり、どの家庭でも一家に一本オリーブオイルが常備されるほどになりました。すでに、オリーブオイルは日本人の食生活に定着しているのです。

そして現在、再び第二次オリーブオイルブームが巻き起こっています。

そこで、ウーマンジャパンでは、今、見直されている「地中海ダイエット」のルーツと真髄に迫ります。ギリシャや南イタリアなどの地中海沿岸地域の実際の食生活から、その根底にある考え方をご紹介します。

そして、無理な食事制限や運動をしなくても、普段の食生活を変えるだけで簡単に実践できる「地中海ダイエット」の実践方法もご紹介します。

「毎日お米に親しんできた日本人が、毎日パスタ食なんて・・・」と心配される方もいることでしょう。そこで、日本人の食卓に、地中海式食事を上手に取り入れる方法もお教えします。

text/石原亜香利

chichukai_diet2_01_01

今から20年ほど前、日本国内で「オリーブオイルブーム」が巻き起こってから、日本の食卓でオリーブオイルが頻繁に使用されるようになりました。

パスタに絡めるのはもちろんのこと、サラダやスープにかけたり、サラダ油の代わりに揚げ物や炒め物などに使ったりと、あらゆる場面でおいしく活用できることが広く知られるようになりました。

一方、そのオリーブオイルが良いとされる背景には、「地中海ダイエット」というダイエット方法があることをご存知の方は少ないようです。

実はこのオリーブオイル流行の背景には、オリーブオイルの恵みを存分に食生活に取り入れているギリシャや南イタリアなどの地中海沿岸地域の食生活があったのです。

chichukai_diet2_pic01

この地中海沿岸地域の食生活は、単なる体重減少だけでなく、健康や長寿に良いと実証されています。この地中海式食生活は、高脂肪・高たんぱくの食生活が引き起こす生活習慣病に悩まされている先進国の人たちによって、大いに注目されました。

その注目を集めたきっかけは、1992 年にアメリカ農務省が「地中海の食事によるダイエット・ピラミッド」を発表したことにありました。
「ダイエット・ピラミッド」の発表は、1980年代から増え続けていたアメリカ国内での糖尿患者増加に対する、アメリカ政府の対策でした。

主に南イタリアやギリシャの人々の伝統的な食生活が、生活習慣病を予防し人間の体を自然な状態に戻すという事実が実証されたことに対して、アメリカ政府は正式に認可を下したのです。

chichukai_diet_pyramid

このダイエットピラミッドは、主に南イタリアやギリシャの1960年代の食習慣をお手本としており、地中海ダイエットにとって重要な食品をピラミッド状に表した図です。
下に行くほど重要度が高く、上にある食品ほど、なるべくひかえるようにするのが理想とされています。また、ピラミッドの底辺にあるように、日中のアクティブな活動が根底にあることも重要なポイントです。
このピラミッドの頂点には「その他の肉類」があります。

「肉」がもっとも地中海沿岸の食生活において控えられているという事実に驚く方も多いのではないでしょうか。

また、甘味食品やたまごなどの摂取がかなり抑えられていることも、現代日本人の食生活と大きく異なるところでしょう。

この地中海式食生活がダイエットだけでなく、健康にも良いと言われる由縁として、ギリシャや南イタリアの人たちには、心臓病などの代謝疾患の死亡率が少ないというデータが挙げられます。

chichukai_diet_graph_02

佐藤 富雄 (著)『キレイをつくる地中海ダイエット―「スローフード」が教えてくれた無理なくヤセる法則』31Pより
実は、この地中海ダイエットのピラミッドが発表されるさらに前から、地中海沿岸の食生活は、すでに世界中の多くの人たちから注目を浴びていたのです。

chichukai_map_02

それは1950年代にまでさかのぼります。当時、アメリカや北欧で、肥満や代謝疾患が増えているということが社会問題となっていました。

危機を悟ったアメリカのミネソタ大学の生理衛生研究所の生理学者 アンセル・キーズ博士は、世界中の各国において、疫病調査を行いました。

その調査・分析により、心臓病などの代謝疾患の人が、アメリカ、カナダ、イギリス、ドイツなどに比べて、イタリア、ギリシャ、フランスにとても少ないことが分かったのです。

こうした結果を元に、地中海沿岸の人々が油脂を意外にも多く摂取しており、その油脂分のほとんどはオリーブオイルであることに着目されました。

地中海沿岸の人々のオリーブオイル摂取量は、一日に摂取する総エネルギーの25~30%に相当するくらいのかなりの量なのです。

また、この地中海沿岸地域の食生活における脂肪全体の摂取量は、アメリカや北欧とほぼ同じレベルだったそうです。

つまり、アメリカや北欧では、脂肪の中でも、動物性脂肪をとりすぎていることが肥満の原因であることが分かり、代謝疾患の引き金にもなることが明確に裏付けられました。

そこで、脂肪の中でも良質のオリーブオイルをたっぷりとっている地中海式の食事が着目されるようになり、細かな食習慣や摂取バランスなどが科学的に検証されることになったのです。

text/石原亜香利

chichukai_diet3_01_01
植物性脂肪の油である「オリーブオイル」でほとんどの油脂を摂取する地中海式の食生活。
動物性脂肪を摂取するよりも、肥満や心疾患などを格段に減少させることが実証されています。
では、この「地中海ダイエット」には、他にどのようなメリットがあるのかを見てみることにしましょう。
・油をたっぷりとってもオリーブオイルなので太らない
・おいしく楽しく食べてダイエットができる
・時間をかけて楽しみながら食事ができる
・病気になりにくい・長生きできる・死亡率が減少する
・サプリメントや栄養補助食品に頼る必要がない
・カロリーが低く済む・自然と食べ過ぎが防止できる
chichukai_diet3_pic01
このようなメリットを見て、改めて「そんなダイエットあるの?」と
驚かれる方が多いのではないでしょうか。
特に油をたっぷりとっても太らないことや、
おいしく楽しく食べてダイエットができるというのに惹かれない女性はいませんよね。
なぜなら、従来のダイエット法は、脂肪や糖質をできる限り減らしたり、
毎日の運動が欠かせなかったりする、気分が憂鬱になるものだからです。
下記のデータを見て下さい。
イタリアの人たちの、脂質の摂取の度合いです。脂質だけで見ると、むしろ日本よりイタリアのほうが摂取割合が高く、動物性脂肪も植物性脂肪も十分に摂取していることが分かります。このような結果がある一方、イタリアの人たちにスレンダーな人が多いのは、オリーブオイルの太らない特性が影響している部分が大きいと言われています。

chichukai_diet_graph_03

佐藤 富雄 (著)『キレイをつくる地中海ダイエット―「スローフード」が教えてくれた無理なくヤセる法則』 35Pより

つまり、地中海式ダイエットなら、油をたっぷり取って、おいしく、かつ食事を楽しみながら普通の量を摂取してダイエットができると言うことができます。
また、単に体重減少が実現できるというだけでなく、病気にもなりにくいというのが地中海ダイエットの最大のメリットであると言えるでしょう。

では、これからそれぞれのメリットについて詳しく見ていくことにしましょう。

chichukai_diet3_title02

chichukai_diet3_pic02

オリーブオイルはオレイン酸を主体としている、脂肪の蓄積を抑えることのできる太りにくい油です。

オレイン酸には、インスリンの働きをよくする作用があります。

インスリンが過剰に分泌されると、血液中の脂肪がエネルギーとして消費される妨げとなってしまい、結果、体脂肪をどんどんためこむ原因となってしまいます。

そのインスリンが過剰に分泌されたり、反対に極端に分泌されなかったりしないように、うまく調整してくれる作用が、オレイン酸にはあるのです。

また、先にも述べたように、オリーブオイルは「一価不飽和脂肪酸」という、悪玉コレステロールを低下させてくれる脂肪酸を多く含みます。

これに対して、「飽和脂肪酸」を多く含むバターや肉の脂身は、悪玉コレステロールや中性脂肪を増やす一方で、動脈硬化や循環器系疾患の引き金となることが知られています。肥満にも密接に結びついています。

また、「不飽和脂肪酸」の中でも、「多価不飽和脂肪酸」と呼ばれるものもありますが、「一価不飽和脂肪酸」と同じように、悪玉コレステロールを減らす作用がある一方で、善玉コレステロールも減らしてしまうという作用も同時に働いてしまうのです。

よって、「一価不飽和脂肪酸」は、悪玉コレステロールのみに作用する、他のどの脂肪酸にはない特徴があるのです。

ただ単に、油や脂肪の摂取量を抑えるのではなく、質の良い油であるオリーブオイルを多く摂取するからこそ、無理なくダイエットができるというわけです。

chichukai_diet3_title03

地中海ダイエットでは、とにかく「食べてこそ健康的に痩せられる」という考え方が根底にあります。

なぜかというと、地中海ダイエットで扱う食材は、オリーブオイル、硬質小麦粉、魚介類など、太りにくいものであふれているからです。

お腹いっぱい食べたとしても、カロリーオーバーや栄養過多にはなりにくいのです。さらに、先にも述べたように、油や脂質をむやみに制限するのではなく、オリーブオイルを積極的に使用することで、油不足で何かと支障をきたしてしまうのを回避することができます。

だからこそ、苦しむことなく、おいしく楽しく、油でも太ることを気にせず食べてダイエットができるのです。

chichukai_diet3_title04

地中海ダイエットなら、時間をじっくりかけて、食事を楽しみながらダイエットができます。
イタリア人はもともと昼食に時間をかける習慣があります。なんと2時間かけてとるそうです。
また、昼食は家族で食卓を囲みながら、楽しくおしゃべりしながら食べる習慣があるのもその特徴です。これを聞いて、メンタル面なことだとお思いの方は多いでしょうが、実際はとても理にかなっていることなのです。

なぜなら、昼はもっとも体が活動的な状態にあり、自律神経の働きによって、もっともエネルギーを活発に消費できる時間帯だからです。

このような時間帯にたくさんの量を摂取しても、速やかにエネルギーが利用され、脂肪がたまりにくいそうです。

chichukai_diet3_title05

ここで言う病気とは、特に心疾患、高血圧、がん、アレルギーなどのことを言います。
この死亡率が減少するという事実については、次の統計データを見てください。

chichukai_diet_graph_02

佐藤 富雄 (著)『キレイをつくる地中海ダイエット―「スローフード」が教えてくれた無理なくヤセる法則』31Pより

アンセル・キーズ博士が1958年に着手した疫学研究の成果である、世界の人たちの死亡率のデータです。
ギリシアおよび地中海沿岸に住む人々の虚血性心疾患、癌など全ての原因を含んだ死亡率が、実験に参加した7か国中最も低いことが分かりました。また、心疾患については、特に地中海の食生活と関わりが深いということが、その実験結果から分かっています。

chichukai_diet3_title06

南イタリアやギリシアに住む人たちがとる、いわゆる地中海食には、自然の収穫物がふんだんに取り入れられています。

野菜や魚介類、小麦や米、そしてオリーブオイルにワイン。

自然に囲まれた地域であるがゆえの特長です。

これらの自然食品で、十分栄養が取れますし、さらに栄養のバランスもとても良いという科学的根拠もあります。

地中海食生活では、現代の日本人のように、サプリメントや栄養補助食品を摂取する必要はないのです。

chichukai_diet3_title07

地中海食は、全体的にカロリーが低い傾向があります。

カロリーを低くしている要因は多数ありますが、その大きなものとして、オリーブオイルの存在が挙げられます。

オリーブオイルのカロリーは大さじ1で約120kcalと決して低くはないですが、ほとんどの油はオリーブオイルで摂取するため、太りやすいバターなどの動物性脂肪をとらないことになります。

つまり、オリーブオイルという良質の油をきちんと摂取していれば、余計な良くない油を摂取することもなく、カロリーオーバーになりにくいと言えるのです。

また、地中海式食生活においては、お肉を食べるにしても、脂肪を取り除いて料理したり、脂肪分の少ない仔羊や仔牛の肉を好んで食べます。

炭水化物はどのように摂取するのかと言うと、硬質小麦粉であるパスタがメインです。糖質の吸収の速度である「グリセミック指数」の比較的低いパスタは、食物繊維を多く含んでいるために、血糖値の上昇をゆるやかにし、脂肪の蓄積を防ぐことができるという特徴があります。さらに食物繊維は胃の中における滞留時間が長いので、腹持ちが良く、結果的に食べ過ぎを防ぐことができるのです。

text/石原亜香利

chichukai_diet4_01_01

地中海ダイエットを成功させるには、まず地中海式食生活がどのようなものなのかを知る必要があります。では、次にその南イタリアやギリシャの人が実際どのような食生活を送っているのかを、具体的に見てみることにしましょう。

chichukai_diet4_title01
chichukai_diet4_pic01

・油脂は主にオリーブオイルで日常的に摂取する
・主食に硬質小麦粉を原料としたパスタやパンや米、
穀物を多めにとる
・獣肉を少なめに、魚介類を多めにとる
・肉は主に脂肪分が少ない仔羊や仔牛を食べる
・牛や豚は赤身部分、鶏はムネ肉やササミなどの脂肪の
少ない種類のものを選び、調理の際には目に見える脂肪を
取り除く。ただ、赤身の肉は月に2~3回にとどめる
・季節の緑黄色野菜やキノコ類を頻繁にとる
・食事中、適量のワインを飲む
・デザートや間食には果物やナッツ類をとる
・バターなど脂肪分の多い乳製品はあまり食べない。
チーズやヨーグルトも少量をとる
・味付けはトマトベースが多い

chichukai_diet4_title02

・昼ゆっくり時間をかけてたくさんの量を食べる。そのかわり、朝食と夕食は軽めにする
・家族で食卓を囲み、ゆとりをもって食事を楽しむ
・地元のワインやチーズなどを適度にとって、リラックスした豊かな食事を心がける
・毎日の身体活動を欠かさない

chichukai_diet_pyramid

地中海の食事は実にメニューが豊富で、これと決まっているものはあまりありません。
ただ、その種類を大きく分ければ、前菜、パスタかスープ、メインの魚肉料理と付け合わせの野菜を使った料理、デザートとなります。

イタリア料理の食事の流れ
前菜(アンティパスト)


パスタorスープ

メインの魚肉料理 + 付け合わせの野菜料理


デザート。

chichukai_diet4_title04

【野菜料理・前菜】

・カポナータ(南イタリア地方でよく用いられるナスと、いろいろな夏野菜を使用した
”付け合せ料理”で、野菜のオリーブ炒め煮のこと)
・ブルスケッタ(トマトとパンの前菜)
・カプレーゼ(モッツァレラチーズ、トマト、バジリコにオリーブオイルをかけたもの)
・トマトとモッツァレラチーズのサラダ
・パルミジャーナ(米ナスとモッツァレッラ)
・ミネストローネ(野菜と豆の煮込みスープ)
・タブレ(クスクスのサラダ)

chichukai_diet4_title05
chichukai_diet4_recipe01

カポナータ
~野菜のオリーブ炒め

南イタリアの代表料理で、緑黄色野菜をたくさん使った彩り溢れる野菜のオリーブ炒めです。
ビタミンも豊富に摂取できます。

材料(4人前)

ズッキーニ・・・1本
長なす・・・1個
黄ピーマン(肉厚のもの)・・・1個
赤ピーマン(肉厚のもの)・・・1個
トマト・・・2個
バジリコ・・・5~6枚
ニンニク・・・2片
オリーブオイル・・・大さじ4
塩・・・適量

作り方

1.
フライパンにオリーブオイル大さじ1を弱火で熱し、縦に4等分しさらに2~3cmに角切りしたズッキーニをゆっくりと炒め、盛り皿に取り、塩を少々ふっておきます。炒める野菜はすべて同じ大きさに切ります。

2.
同じフライパンにオリーブオイルを足し、角切りにした黄・赤ピーマンを炒め、同じ盛り皿に取って塩少々をふっておきます。

3.
スライスしたニンニク1片と、角切りにした長なすを一緒に炒め、同じ盛り皿にとって塩少々をふっておきます。

4.
次にソースを作ります。改めてフライパンにオリーブオイル大さじ1を弱火で熱し、ニンニク1片をゆっくり焦がさないようにソテーしたらトマトを加えて火を強め、塩少々とバジリコを手でちぎって入れ、1分ほど煮て火を止めます。盛り皿の野菜に、このソースをかけ軽く混ぜ合わせます。

【パスタ系】
・ペペロンチーノ
・ルッコラのスパゲティ(具はタコ、エビなど)
・ナポリ風ソース(トマトベース)
・ブロッコリーのパスタ
・スパゲッティ アッレ ボンゴレ(あさりたっぷりのスパゲッティ)
・ラザーニア
・フレッシュトマトとバジルのスパゲティ
・ペンネアラビアータ
・ピザ
・ニョッキ
・トルタ・サラータ(キノコ、タマネギ、ナスなどの野菜や、肉を詰めたタルト料理の総称)

■パスタの代表的な具材

魚介類:イカ・タコ・エビ・ムール貝、アサリ、ホタテ貝、アンチョビ
野菜:ナス・ピーマン・タマネギ・ブロッコリー・キノコ など

chichukai_diet4_title06
chichukai_diet4_recipe02

スパゲッティ アッレボンゴレ
~あさりたっぷりのスパゲッティ
磯の香りがするあさりたっぷりのスパゲッティ。新鮮なあさりの風味をそのまま生かして作ります。これぞ本場、南イタリアのボンゴレの味です。

材料(8人前)

スパゲッティーニ・・・500g
あさり
殻付き・・・600g
むき身・・・300g
生トマト(2cm~3cmの角切りまたはホールトマトの缶詰)・・・400g
バジリコ・・・7~8枚
イタリアンパセリ(粗みじん切り)・・・5~6本
オリーブ油・・・90~100cc
ニンニク・・・3片
塩・・・適量
こしょう・・・適量
ガーゼ

作り方

1.
フライパンにオリーブオイル大さじ2~3を弱火で熱し、ニンニク1片と2つ切りにして焦がさないように炒めます。色づいたニンニクを取り出して殻付きのあさりを入れ、ふたをし、あさりの殻が開くまで火にかけます。

2.
別のソースパンなどにオリーブオイル大さじ2を弱火で熱し、ニンニク1片を2つ切りにして炒め、トマトを加えてさっと煮て、手でちぎったバジリコを加えて火を止めます。1の汁だけをガーゼでこして加え、混ぜ合わせてトマトソースを作り、塩で味を整え。

3.
別のフライパンにオリーブオイル大さじ2を弱火で熱し、ニンニク1片を2つ切りにして焦がさないように炒めます。ニンニクを取り出してからあさりのむき身を入れ、1~2分ソテーし、こしょうをします。

4.
スパゲッティーニは、深めの鍋にたっぷりの湯を沸かし、塩大さじ1を加えてアルデンテ(固め)にゆでます。

5.
スパゲッティーニをゆでている間に、1と3のあさりを混ぜ合わせ、再び火にかけて温めます。
6.
ゆであがったスパゲッティーニの水気を切り、5に加えて全体を軽く混ぜます。

6.
再びあたためた2のトマトソースを加えてさらに混ぜ、火を止め、イタリアンパセリ、こしょうで味を整えます。

【魚介・肉料理】

・魚介のアクアパッツァ(フィッシュスープ)
・魚介類の煮込み鍋
・白身魚のソテー
・イカの詰め物
・イワシのハーブソテー
・カキのバジル風トマトソースグリル
・フランス産ひなどりの香草焼き(ローズマリーとソーセージ)
・ポッロ・アッモリカート(冷えてもおいしい鶏肉料理)
・シチリアソーセージ

chichukai_diet4_title07
chichukai_diet4_recipe03

魚介のアクアパッツァ

昔から漁師さんが船の上で調理していたと言われるアクアパッツァは、イタリアンのメイン料理の代表料理です。フライパン一つでできる簡単料理で、トマトやオリーブ、白ワインと共に魚介類を煮込んだものです。色鮮やかで見栄えも良い彩りを添える料理です。

材料(4人前)

魚介
真鯛・・・150g×2切
たら(生たら)・・・70g×2切
あさり・・・150g
塩(魚の下味用)・・・小さじ2/3
ブラックペッパー・・・少々
調味料
オリーブオイル・・・大さじ2と1/2
ニンニク・・・1片
トマト・・・220g
オリーブ・・・種がとられ輪切りになっているもの 15g  ケイパー・・・10g
白ワイン・・・3/4カップ
あしらい
ルッコラ・・・3g
バルサミコ・・・少々

作り方

1.
下ごしらえとして、あさりは砂抜きをし、魚には塩とブラックペッパーで下味をつけ、トマトとニンニクは刻んでおきます。

2.
フライパンにオリーブオイルとニンニクを入れて弱火で加熱します。香りが立ってきたら魚の皮目を下にしておき、皮目が薄いきつね色になるまで焼きます。このときにニンニクを焦がさないように弱火でゆっくり加熱すると、風味が悪くなりません。

3.
魚をひっくり返し、調味用の材料とあさりを入れて5分ほど蒸し焼きにします。このとき火を少し強くします。途中、水気がなくなってきたら、随時水を足して調整します。

4.
ふたを開けて、1分ほど加熱し、アルコールをとばします。

5.
仕上げにバルサミコを全体にふりかけ、ルッコラを中央にあしらいます。

■だし、味付け

・トマトはだしの役割を果たし、日本で言う昆布に相当します。
・酸味とコクのきいたトマトソースは、オリーブオイル、ニンニク、トウガラシ、ハーブ類と合わせます。
・塩分は精製されたものは使わず、岩塩のみを使用します。

text/石原亜香利

chichukai_diet5_01_01
これまで、地中海ダイエットの中身を見てきましたが、従来、我々日本人が持つダイエットのイメージである、食事制限や過度な運動などの要素は一切ないことに気付きませんか。
地中海ダイエットは、むしろ旺盛に食物を摂取するというタイプのダイエット方法であると言えます。では、なぜ地中海ダイエットは普通に食べてもダイエットができるのかを、5つのポイントに絞って解明していきましょう!

chichukai_diet5_title01
chichukai_diet5_title02
オリーブオイルは他の油と比べて脂肪の種類が異なり、太りにくい良質の油であると言われています。

そのオリーブオイルを毎日の食事に頻繁に取り入れている地中海食は、たくさん食べても太りにくいのです。

(詳しくは vol.6 なぜオリーブオイルは太らないのか)参照)

chichukai_diet5_title03

chichukai_diet5_pic02

地中海食の主食であるパスタやパンなどの硬質小麦粉製品は、糖分の吸収スピードが穏やかで、血糖値の上昇がゆるやかです。結果、インスリンの過剰分泌が抑えられ、血液中の糖質や脂肪酸が脂肪組織に過剰に送り込まれることもなく、必要なだけのインスリンだけで処理が行われることになります。

そのため、脂肪が蓄積しにくくなるというメリットがあります。

この糖分の吸収スピードを数値で表したものを「グリセミック指数」と言うことは、広く知られていることでしょう。

グリセミック指数とは、ブドウ糖を100とした場合の血糖上昇率を指し、このグリセミック指数を比べてみると、全粒パスタの指数が最も低い42で、精製パスタでも50であるのに対し、白米は72、食パンは69と比較的高い数値を示しています。

このことからも、全粒パスタは、他の主食に比べて、脂肪が蓄積しにくくなるという意味で、太りにくいと言うことができるのです。

chichukai_diet_graph_04

佐藤 富雄 (著)『キレイをつくる地中海ダイエット―「スローフード」が教えてくれた無理なくヤセる法則』 79Pより

パスタに含まれる水溶性と不溶性の両方の食物繊維がうまく腸内で働くことで、消化吸収がゆるやかになったり、便秘の解消が促されたりといった作用があり、間接的にダイエットに繋がるとも言われています。

パスタの「アルデンテ」という、芯を残したゆで方は、麺にコシを与え、「噛む」行為を促します。
実は歯や顎を動かしている筋肉には、三叉神経という神経が脳の中枢部と直接つながっており、よく噛めば噛むほど満腹感が得られるので、食べ過ぎを防止することができるのです。このことも、間接的なダイエットに繋がると言えるでしょう。

chichukai_diet5_title04

chichukai_diet5_pic03

地中海食において、肉よりも積極的に摂取される魚介類は、高たんぱくで低脂肪です。魚に含まれるEPA(エイコサペンタエン酸)という成分には、脂肪を燃やす働きと、インスリンの作用を高めて体脂肪の蓄積を防ぐ働きがあります。

イカやタコ、貝類に多く含まれるタウリンにも血中コレステロールや血圧を安定させる作用があります。

肉は主に脂肪分が少ない仔羊や仔牛を食べ、牛や豚、鶏などを食べる際にも、目に見える脂肪を取り除いてから調理します。よって、体内でコレステロールや中性脂肪の合成を促進する動物性脂肪に含まれる飽和脂肪酸を摂取する機会がほとんどありません。また脂肪を取り除いて調理することにより、肉のカロリーを1/3にまで減らすことができます。

chichukai_diet5_title05

chichukai_diet5_pic04

ガーリックやトウガラシなどの香辛料は、血栓予防作用や、血中コレステロール抑制作用、食欲増進作用などがあり、ダイエットに良い効果をもたらします。

地中海地域においては、野菜を日本人の2倍は食べられていると言われています。野菜に多く含まれる、ビタミンB群や食物繊維などが、代謝や脂肪燃焼の助けとなることはよく知られています。

カロリーが限りなくゼロに近いキノコ類も、上手に料理され食べられています。

バジリコなどのハーブ類は、その芳香成分にあらゆる病気や老化を防ぐ強力な抗酸化作用があると言われています。

ムダな脂肪をカットする働きのあるトマトを、味つけのベースとして頻繁に使用しているのもポイントです。

chichukai_diet5_title06

地中海沿岸地域には、日中アクティブに活動し、昼にたっぷりの量を食べ、朝食や夕食を軽めに食べるという太りにくい食習慣が根付いています。

このように、食事内容や食習慣などあらゆる角度から、地中海式の食生活はダイエットに向いていると言うことができるのです!

text/石原亜香利

chichukai_diet6_01_01
地中海ダイエットの中心である、オリーブオイル。
地中海沿岸の人が摂取する油はほとんどオリーブオイルで、日本人が好むバターや肉の脂身、卵などの動物性脂肪は控えられています。
しかし、人間の体にとって脂肪は必要不可欠。
制限すると無性にとりたくなってしまいます。
油ものを我慢したところ、天ぷらやパウンドケーキなどを
その反動で食べてしまったという経験を持つ方は多いのではないでしょうか。
そこで、むやみに油を制限するのではなく、良質の油を摂ればいいということが分かっています。
その良質の油こそ、オリーブオイルであると言うことができるのです。
では、地中海ダイエットを効率的に進めるために、
その中心であるオリーブオイルの特徴や、
なぜダイエット効果があるのかなどを具体的に見ていくことにしましょう。
chichukai_diet6_title01
chichukai_diet6_pic01
オリーブオイルとは、唯一絞ったまま利用できる植物油で、「油性のジュース」とも言われています。
人類が最初に使った油でもあり、とても歴史のあるオイルなのです。
植物油は、バターや肉の脂身などの動物性脂肪と比べて
血中コレステロール値を下げることで、体に良いことは広く知られています。
この植物油には、オリーブオイルの他にも、
大豆、トウモロコシ、ごま、ヒマワリ、パーム、ピーナッツ、綿実油などがあり、
日本でも多くの家庭で料理に使用されています。

 

しかし、その植物油の中でも、オリーブオイルはひときわ良質で、より太りにくい植物油であることが科学的に検証されています。

chichukai_diet6_title02

では、このオリーブオイルを摂っていると、なぜダイエットができるのでしょうか?
その理由として、次の2つを挙げることができます。

① オリーブオイルに大量に含まれる「オレイン酸」がインスリンの効き目をよくして、体脂肪の蓄積を抑えてくれる!
chichukai_diet6_pic02
② 脂肪を取らない「低脂肪ダイエット」は必ず反動が来る。オリーブオイルなら油を取りながらダイエットができる!

では、それぞれについて詳しく見てみましょう。

①オリーブオイルに大量に含まれる「オレイン酸」がインスリンの効き目をよくして、体脂肪の蓄積を抑えてくれる!

まず、インスリンとは、すい臓から分泌されるホルモンのことで、血液中のブドウ糖を各組織の細胞に運搬する働きをしているものです。

すぐにエネルギーとして使用されなかった糖質や脂肪を、このインスリンが肝臓、筋肉、脂肪組織などに運び込んでくれるのです。

しかし、このインスリンは大量に炭水化物や糖質、脂肪などを摂取した場合、大量に必要になってくるため、インスリンは過剰に分泌されます。

しかし、この過剰なインスリンはエネルギー消費を妨げ、体脂肪をどんどんため込む原因になると言われています。

このインスリンの過剰分泌を抑えてくれたり、体脂肪をため込みにくくしてくれる作用のあるのが何を隠そう、オリーブオイルにたっぷり含まれている「オレイン酸」なのです。

この「オレイン酸」は、他の植物油に含まれる「リノール酸」などの不飽和脂肪酸と比べて、約2倍もインスリンに作用するという研究結果も出ています。

オリーブオイルがダイエットに良いとされる大きな理由として、実に、この「オレイン酸」の存在が大きいと言われています。

② 脂肪を取らない「低脂肪ダイエット」は必ず反動がくる。
オリーブオイルなら、油を摂取しながら効率よくダイエットができる!

chichukai_diet6_pic03

ダイエットと言うと、日本では、炭水化物や糖質を制限して、カロリーの少ないものだけを摂取するという方法を取る場合が多いのではないでしょうか。

しかし、この「低脂肪・低炭水化物ダイエット」を行うと、どうしても反動が来てしまいます。なぜなら、食べ物の「うま味」はほとんど「油」や「脂質」からきていると言われているからです。

油を使った料理を制限していると、余計に油っこいものが食べたくなったという経験をしたことがあるのではないでしょうか。このように、ただ単に油を摂取する量をむやみに減らしたり、絶ったりすることは、あまり効率の良いダイエットにはならないことが多いです。

そもそも、多少の油は人間の体にとって必要不可欠であることもあって、油摂取をゼロにするのはむずかしいです。

そんな中、オリーブオイルなら、油を摂取しながら、健康にも十分作用し、さらにはダイエットも実現できるのです。

美味しくたっぷり使って、しかもダイエットができる。

こんなに都合の良い油は、今までになかったことでしょう!

以上の2つの理由から、オリーブオイルはダイエットにとても向いていると言うことができます。

では次に、さらにオリーブオイルという良質の油の特徴に迫ってみましょう。
きっと、オリーブオイルを摂取して地中海ダイエットを行うヒントになることでしょう。

chichukai_diet6_title03

よくオリーブオイルの説明を聞いたときに、「なんとか脂肪酸」などと、難しい単語が並べられ、よく理解できなかったという方は多いのではないでしょうか。

しかし、むずかしいことは何もありません。
オリーブオイルの特徴・メリットのうち、重要な次の2つを見てみることにしましょう。

①オリーブオイルは、悪玉コレステロールだけに働きかけて低下させてくれる!
②オリーブオイルは、他の油と比べてもっとも酸化されにくい!

では、それぞれについて詳しく見てみましょう

①オリーブオイルは、悪玉コレステロールだけに働きかけて低下させてくれる!

血液中には悪玉コレステロール(LDLコレステロール)と善玉コレステロール(HDLコレステロール)が存在します。オリーブオイルには、心疾患(狭心症や心筋梗塞など)や脳血管疾患(脳梗塞や脳出血など)などの原因となる動脈硬化を促進させる悪玉コレステロールを下げる働きがあります。これに作用しているのが、オリーブオイルのうち大きな割合を占める「オレイン酸」と呼ばれる脂肪酸です。

一方、日本で多用されている大豆油やコーン油、ごま油などの植物油は、悪玉コレステロールだけでなく、体にとって必要な善玉コレステロールをも低下させてしまう「リノール酸」と呼ばれる脂肪酸を多く含んでいます。また、この「リノール酸」は、アレルギーの原因となっているという説もあり、オリーブオイルに多く含まれる「オレイン酸」のほうが、より体にとって良い脂肪酸であると検証されています。

実は、このオレイン酸をここまで多く含む油は、オリーブオイル以外にないのです。
他の植物油と比較した場合の、「オレイン酸」と「リノール酸」の割合の表を見てください。

chichukai_diet_graph_06

佐藤 富雄 (著)『キレイをつくる地中海ダイエット―「スローフード」が教えてくれた無理なくヤセる法則』53Pより

このように、オリーブオイルは脂肪酸中に、オレイン酸を含む割合が圧倒的に高いことが分かります。

また、さらに「オレイン酸」には空腹感を抑える働きがあるそうなので、ダイエットにも最適であると言うことができます。

コラム2<脂肪酸の分類>

脂肪酸には「飽和」「不飽和」の二種類があり、オリーブオイルは不飽和脂肪酸の「一価」に分類されます。この「一価不飽和脂肪酸」のうち、オリーブオイルは「オレイン酸」をたっぷり含みます。

脂肪酸
┣ 飽和脂肪酸・・・牛脂、バターなど(固体)
┗ 不飽和脂肪酸・・植物油(液体)
一価不和脂肪酸・・・オレイン酸など
┗ 多価不和脂肪酸・・・リノール酸など

<ポイント>

・飽和脂肪酸は、血中コレステロールを上げる作用がある。肉の脂やバターなどに含まれる。

・リノール酸は悪玉コレステロール(LDL)と共に善玉コレステロール(HDL)もいっしょに下げてしまう

②オリーブオイルは、他の油と比べてもっとも酸化されにくい!

また、オリーブオイルは、他の油と比べてもっとも酸化されにくいという大きな特徴があります。

よく「抗酸化作用」という言葉を耳にしたことがある方は多いのではないでしょうか。
この抗酸化作用とは、体が酸性になるのを防ぐ働きのことを言います。

体が酸性になると、生体にとって様々な障害を引き起こすと言われています。

オリーブオイルには、このような抗酸化作用のあるビタミンEやポリフェノールを始めとする抗酸化物質も、多く含まれています。この抗酸化作用により、動脈硬化の原因の一つである過酸化脂質の生成を抑制することができるのです。

特にポリフェノールは、赤ワインやコーヒー、ブルーベリーなどに多く含まれている渋み成分のことを言いますが、強い抗酸化作用があり、悪玉コレステロールと呼ばれる活性酸素の働きを抑える働きがあると言われています。

ポリフェノールは、オリーブオイルの中でも、バージンオリーブオイル(ヴァージンオリーブオイル)という精製されていないオリーブオイルに多く含まれています。

また、このポリフェノールをさらに深く追求していくと、とてもダイエットに向いている面が出てきます。なんとポリフェノールは交換神経刺激して脂肪の燃焼を促すというメリットもあるそうなのです。また、脂肪が燃焼することにより、冷え症の改善にもつながるとも言われています。

このような①、②の2つの特徴から、オリーブオイルはダイエットに良いだけでなく、人間の健康にとっても、とても魅力的な製品であることが分かるでしょう。

コラム2<動物性脂肪をオリーブオイルに置き換えよう!>

アメリカ食品医薬品局FDAでは、「一日当たりの総摂取カロリーを増やさず、動物脂肪のうち、約23gをオリーブオイルに置き換えるとオレイン酸の働きで冠動脈性心疾患のリスクを低減する可能性がある」と提言しています。

このように、オリーブオイルはダイエットだけでなく、健康にも良いと言われています。

chichukai_diet6_title04

chichukai_diet6_pic04

オリーブオイルの原料となるオリーブの実。地中海食には、このオリーブの実がふんだんに利用されています。

サラダに使われたり、煮込み料理に入っていたり、もちろんピザやパスタにも具材として利用されています。

また、酢漬けや塩漬け、オイル漬けなどの、日本で言う漬物風の食べ方も広く知られています。

①オリーブの歴史

このオリーブの歴史は、6000年と言われています。

エジプトのツタンカーメンはいつもオリーブの葉の冠を身に着けていたと言われています。

紀元前5世紀のギリシアでは、オリーブの栽培が盛んで、オリーブを栽培する果樹園は神聖な領域として扱われていました。

このような長い時間を経て、現在に至っても地中海地方で栽培されているオリーブは、これだけの歴史を持ちながらも、飽きられず、今もなお世界中の人々に愛されている果実です。

②オリーブの産地

世界の中で、オリーブが栽培・生産されている代表地域というと、スペインやイタリア、ギリシャが挙げられます。日本では、瀬戸内海の小豆島でオリーブが栽培・生産されています。

chichukai_diet6_pic05

オリーブの栽培に適した気候条件は、温暖で雨が比較的少なく、冬季の温度が適度に低いことが挙げられます。

世界のオリーブ総生産量のトップの座を争うスペインとイタリアは、特にオリーブ栽培に適した気候の地域です。また、オリーブオイルの消費量が世界でもっとも多いとされているギリシャは、スペイン・イタリアに次ぐ世界で第3位のオリーブ生産国となっています。

text/石原亜香利

chichukai_diet7_01_01
これまで、地中海ダイエットのメリットや方法、太りにくい食習慣を見てきました。
では、実際に、地中海ダイエットを実践する場合に、どのような方法を取ることができるでしょうか。
この章では、食材・調理法や実際の方法、
さらには日本人が地中海ダイエットを成功させるための方法をご紹介します!
chichukai_diet7_title01

「地中海料理を作るなんて難しそう・・・」とお思いの方は多いことでしょうが、実際、南イタリアの料理の多くは、調理法もシンプルで短時間で仕上がるものが多いのです。

また、オリーブオイルブームが起こって以来、日本国内でも、食材がずいぶん日常的に手に入りやすくなってきていますので、手軽に地中海料理にチャレンジすることができます。ぜひ実践してみましょう。

chichukai_diet7_title02

地中海食で使用されるオリーブオイルは、大まかに分けて次の3種類に分かれます。

<オリーブオイルの種類>

1.ヴァージンオリーブオイル・・・オリーブからそのまま絞られたもので、精製されていないもの。
エキストラ、ファイン、オーディナリー、ランバンテなどの種類に分けられる
2.精製オリーブオイル・・・ヴァージンオリーブオイルを脱酸・脱臭・脱色等して精製したもの
3.オリーブオイル・・・1と2をブレンドしたもの。日本ではピュアオリーブオイルとして
多用されている

chichukai_diet7_pic01

「ヴァージンオリーブオイル」のうち、特に風味の強い「エキストラ・ヴァージンオリーブオイル」は、サラダや魚介類のマリネなどのドレッシングとしてそのまま味わえるものに使います。
一方、揚げ物、炒め物、ソテー類などの熱を通す料理の場合や、オリーブオイルの風味を抑えたい場合などは、加熱すると風味が強くなるので、「ピュアオリーブオイル」を使用するのが一般的です。

また、主食のパスタ食べるときは、ニンニクをオリーブオイルでソテーしたソースにからめるのが通例です。このように、乾燥パスタをアル・デンテにゆでて、オリーブオイルベースのソースであえることは、ロングパスタを使った南イタリア料理の伝統的な調理方法です。

このように、毎日、日常的にオリーブオイルを積極的に料理に取り入れて、地中海食を実践してみましょう。

オリーブオイル活用例

オリーブオイルは、パスタや炒め物だけではありません。なんと和食にも応用できるのです。
納豆やお刺身、豆腐に直接かけるとくさみが消えたり、まろやかになったりするそうです。
また、炊き込みご飯やちらし寿司、丼ぶり、お味噌汁などにかけてもOK。デザートとしてヨーグルトにかけたり、ジュースに入れたりするのも美味しいそうです。
また、スプーン一杯のオリーブオイルを毎日続けて飲むことで、ダイエット効果が得られるという体験談もあります。

chichukai_diet7_title03

中部から南部イタリアでのパスタの原料は主に硬質小麦粉です。グルテンの少ない軟質小麦粉を生地にするには卵が必要ですが、硬質小麦粉は水を加えてこねるだけで麺にすることができます。

また、全粒粉穀物、パスタ、米、パン、クスクス、ポレンタなどの穀物類を多めにとります。
「vol.5なぜ普通に食べてダイエットができるのか」でも述べたように、これらの穀物類は糖質の吸収スピードが比較的ゆっくりであるため、血糖値の急上昇を抑えることができるのです。

オリーブオイルで絡めたり、あっさりソースに低カロリーの具材を組み合わせたのが「地中海式パスタ料理」です。

chichukai_diet7_title04

地中海ダイエットでは、肉をあまり摂取しない代わりに、魚介類を多めにとります。
日本では、近年魚離れが進んで、肉料理を多く摂取するようになっているという現状があります。
下のアンケート調査結果では、食事の主菜において肉料理派が55.7%、魚介料理派が11.2%、ほぼ半々が33.2%という結果になっています。

chichukai_diet_graph_07
(社)大日本水産会「食材に関するアンケート調査」(平成17年度)より

魚介類には、イカ、タコ、エビ、ムール貝、アサリ、ホタテ貝、アンチョビなどを多く使用します。
魚はいわしをはじめ、背の青いものを中心にとります。青魚にはEPAが豊富だと言われているからです。EPAとは、抗血栓、抗動脈硬化作用があり、現在もっとも注目度の高い脂肪成分の一つです。

chichukai_diet7_title05

仔羊、仔牛は比較的脂肪分が少ないと言われているので、とてもヘルシーです。
また、牛や豚は赤身部分、鶏はムネ肉やササミなどの脂肪の少ない種類のものを選び、調理の際には目に見える脂肪を取り除きます。
ただし、赤身の肉は月に2~3回にとどめるのがポイントです。

chichukai_diet7_title06

季節の緑黄色野菜やキノコ類を頻繁にとるのもポイントです。
緑黄色野菜の種類としては、主にナス、ピーマン、タマネギ、ブロッコリー、ホウレンソウが挙げられます。

chichukai_diet7_title07
chichukai_diet7_pic02

地中海ダイエットの醍醐味とも言えるワイン。実は、心臓病の発症に大きくかかわっていることが分かっています。なぜか脂肪分を大量に摂取している国のうち、フランス人だけ心臓病の死亡率が低いという逆説“フレンチパラドックス”があることは有名です。その秘訣は、ワインの摂取にあると言われているのです。

chichukai_diet_graph_08

地中海沿岸地域では、男性は一日1~2杯、女性は一日1杯ほどのワインを食事の時にとります。このことは、地中海ダイエットピラミッドにも載っています。

chichukai_diet7_title08

地中海食においては、デザートや間食も一味違います。
日本人にとってのデザートである生クリームたっぷりのケーキやアイスクリームなどの動物性脂肪を多く含んだものの代わりに、果物やナッツ類をとりましょう。

chichukai_diet7_title09

バターなどの脂肪分の多い乳製品はほとんど口にしないのが地中海食の大きな特徴です。 チーズやヨーグルトも適量をとるようにします。

チーズはプロセスでなくナチュラルのものをとります。よくパスタやピザ、トマトのサラダであるカプレーゼに使用されるモッツァレラチーズは、他のチーズに比べて低脂肪でカルシウムに富んでいるので、大いに使用されています。

日本のだしが昆布やかつおぶしだとすれば、地中海料理のだしは、トマトであると言われています。このトマトには、フレッシュトマト、ホールトマト、ドライトマト、トマトペーストなど多彩な形状があります。それぞれの特徴に合った料理に使い分けましょう。

chichukai_diet7_title11
chichukai_diet7_title12

もっとも体が活動モードに入っている昼こそ、もっとも太らない時間。
それがたくさん食べても太りにくいという根拠です。
昼間たっぷり食べて、朝食と夕食は軽めに食べるようにしましょう。
また、家族みんなで食卓を囲み、ゆっくり楽しみながら食事を楽しむのもポイントです。

chichukai_diet7_title13

地中海ダイエットピラミッドの底辺にもあるように、地中海式食生活の根底には、毎日の活発な身体活動が欠かせません。おいしい地中海料理を楽しむことも大事ですが、日常の活動も活発に行いましょう。

chichukai_diet7_title14

では次に、地中海ダイエットを実践するために、あらかじめイタリア人と日本人の食生活の違いを知っておきましょう。共通点もあれば、全く異なる点もあります。これらをよく理解して、実践に役立ててみてください。

具体的にその地中海沿岸の食事、つまり南イタリア・ギリシアでの食事と、日本の食事との共通点と異なる点を見てみましょう。

chichukai_diet7_pic03

南イタリア・ギリシアと日本の食事の違い

南イタリア・ギリシア 日本
主にオリーブオイル とうもろこし油、大豆油、ゴマ油、ひまわり油、バター、牛脂、豚脂など
多く摂取する 魚介類 割と多く摂取する
ニンニク、オレガノ、イタリアンパセリなどをはけで塗ってあみ焼きし、最後にレモン汁をかける 魚介類の調理法
(例)
素材本来の味を活かした、刺身や塩焼き
主に仔牛、仔羊 摂取する肉の種類 鶏、牛、豚
鶏肉、牛肉などは脂をできるだけ取り除く 肉の調理法 鶏、牛、豚の油も好んで食べる
トマトソースにトウガラシやハーブ、ニンニクなどをからめたもの等 だし こんぶ、かつおだし等
主にサラダや煮込み料理、炒め物、グリル焼、パスタなどあらゆる料理に使用して食べる
(日本人のおよそ2倍の量)
野菜 主にサラダや炒め物、煮物にして食べる
昼食。ゆっくり大めにとる メインとなる食事 夕食

地中海沿岸地域と似ているところもありますが、現在の日本人の食生活とは大きく異なることが分かります。特に肉の摂取方法には、多くの方が驚きと違和感を持つのではないでしょうか。
一方で、日本の食文化は魚や野菜を多く摂る習慣があるため、比較的地中海式の食事には馴染みやすいとも言われています。

これらの地中海食の良い点をふんだんに取り入れ、自分たちが普段とる食事をより良いものに変革すること。そうすることで、体重減少だけでない、本当の意味での健康のための「ダイエット」が実現できるとも言えるでしょう。そして何より、美味しくたっぷり食べて、食事制限とは程遠い楽しいダイエットが「地中海ダイエット」の醍醐味。ぜひ実践してみましょう!

text/石原亜香利

chichukai_diet8_01_01

実際に日本人が地中海ダイエットを行った場合、どのような効果が得られるのでしょうか。果たして本当にそのダイエット効果は得られるのでしょうか?

そこで、ウーマンジャパンの会員様の中から、オリーブオイルを使用したダイエットの体験談をお寄せいただきました!その一部をご紹介します。

オリーブオイルを少量料理にかけたり、飲んだりするだけで、ダイエット効果が出たという体験談が多数ありました。皆さんもぜひお試しください!

毎日オリーブオイルを食べて2週間で-2.5kg!
ペンネーム かなこさん
期間 2週間
方法 毎日オリーブオイルを食べる!
結果 体重 -2.5kg
友人に教えてもらって、オリーブオイルダイエットに挑戦しました!

友人は家族でトライして3キロやせたそうです。特に旦那さまは、5キロもやせたそうです。

私も実際に試して見ましたが、なかなかそのままオリーブオイルを飲むのは大変だったので毎日の食事に取り入れることにしました。料理にも使ってみましたが、面倒なときは、朝、パンに塗ったり、おかずにかけたりして食べていました。
こくが出て、食欲もわいた気がします。でも腹持ちも良いせいか、あまり感触をしなくなりました。

実際にオリーブオイルで実感したのは、便秘の解消です。
はじめてすぐ、悩んでいた便秘が解消され、からだが軽くなった気がしました。
体重の変化は2.5キロしかありませんでしたが、ウエストが3cm細くなったのでびっくり!

簡単に出来るのでいいなぁと思いましたし、今まで、油って太るので控えたほうがイイのかなと思っていましたが、油を摂取することで、なんだか健康になれたような気もしますし、お肌や肌も今までより潤っている気がします。健康的にダイエットするのにも良い油は大事なのかもしれないなと思いました。
これからもオリーブオイルを活用したいです!

<ダイエットを成功させるコツ!>
オリーブオイルをそのまま飲むのは、最初はちょっとつらくて、しつこい感じがしました。

そこで、料理に使ったりパンにつけたりだけでなく、グレープフルーツジュースなどにまぜたら意外とおいしかったです!

 

1日1回小さじ1杯のオリーブオイルを飲む!
4週間で-9kg
ペンネーム H.Yさん(38歳)
期間 4ヶ月
方法 1. 1日1回オリーブオイルを小さじ1杯飲む!
(グレープフルーツジュースに混ぜました)
2. 摂取カロリーを一日1500Kcal以下にする
3. 週一~二回、剣道の稽古に参加(1回2時間)
結果 体重 -9kg  体脂肪率 -7%
オリーブオイルはママ友の勧めで飲み始めました。

オリーブオイルのおかげだけだとは思いませんが、オリーブオイルを飲めば悪い油が体から出る!と信じて飲んでいるので、プラシーボ効果で痩せてきたのでしょうか・・・。

オリーブオイルを飲み始める少し前から運動を始めたこともあり、体のぶよぶよ感がなくなりました。

生まれて初めてのダイエットを決心したのは、小2の息子から「これ以上太ったら家出する!」と言われたためです。

妊娠前の体重まで戻したいと思っているので、あと2キロ頑張ります!

 

手作りのオリーブオイルドレッシング!
3ヶ月で4kgを達成!
ペンネーム K.Kさん(30歳)
期間 約3ヶ月
方法 オイーブオイルを使用した手作りドレッシングで、温野菜を食べる
結果 体重 -4kg
以前、オリーブオイルを飲むダイエットが紹介されて、一度試してみたのですが、どうしてもそのまま飲むというのに抵抗があり、断念。もともとオリーブオイル系の料理が好きだったので、簡単なサラダでオリーブオイルを摂取するようにしました。

それまでのサラダと言ったら、冷たいカットサラダに、市販のドレッシングを使用していたのですが、たくさん野菜が食べれる温野菜サラダにチェンジ。
シリコン調理器で、オーブン調理するだけです。

野菜はその時々によって異なり、ブロッコリー、にんじん、いんげん、アスパラ、たけのこ、たまねぎ、サラダビーンズ等々、食べたいもの、旬なもの、安いものなど、アレンジ多数!!

卵やエビ、イカ、チキンなどのたんぱく質食材もプラスして、ボリュームのあるサラダを作るように心がけました。オリーブオイルは1人前大さじ1.5~2とたっぷり使ってOK!

素材の美味しさがグっと感じられて、いつのまにか定番サラダスタイルになり、今でも美味しく続けています。

会社にも、お弁当サラダとして持っていくこともあるのですが、大きめのタッパーにドンと入れるだけなので、とっても簡単、オススメです!

text/石原亜香利

関連記事

ページ上部へ戻る