健康

【医師監修】トラウマと心のケア PTSD PART3-1 女性のこころとからだ事典

■記事監修医師
武蔵野女子大学人間関係学部教授
臨床心理士、精神科医、医学博士
小西 聖子 先生

 


トラウマのケアには、体験直後の対応と長期的なサポートがあります。また、精神的サポートのほか、経済的、社会的、法的なサポートなど総合的に考えなければならない場合もあります。

●PTSDの症状は当然のこと
事件直後は、パニック状態になったり、自分でも理解できないような行動をとってしまうこともあります。これは異常な反応ではなく、トラウマティックな出来事に対する正常な反応だということを、本人と周囲の人が理解することが大切です。自分がおかしくなってしまったのではないかと思って、ひとりでがまんしていると、症状をこじらせてしまうことも。
●誰かに頼ろう
ず、わかってくれそうな人に話をすることです。すべてを話せなくてもいいのです。大切なのは、どんな形ででも人の援助を受けること。直後にPTSDの症状があっても、心配してくれる家族や友人が大勢いれば、そうひどくならずに良くなる人もいます。周囲の人に話せそうになければ、どこでもいいから、精神科カウンセリング窓口に行ってみましょう
●トラウマ・ケアのためにはどこを訪ねればいいの?
PTSDの専門家はまだ少数というのが現状です。しかし専門外でも、適切な治療を行ってくれる医師やカウンセラーはいますし、治療効果があることは確かなのです。まず精神科クリニックやカウンセリングを行っている病院などを訪ねてみましょう。「わかってもらえない」、「不親切でまた行く気にはなれない」と思ったら、合うところを探せばいいのです。関連するグループなどに相談して、紹介してもらってもいいでしょう。一歩を踏み出せば、きっと楽になり、新しい生活に踏み込めるかもしれません。
text/Mami Kakuta
illustration/Tomoe Sasaki

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