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日本の女性は本当に太っているの?|隠れ肥満を退治する食のスタイル

日本の女性は本当に太っているの?|隠れ肥満を退治する食のスタイル
若い女性の間で、肥満ではないが、体脂肪率が30%以上を示す隠れ肥満が増えています。隠れ肥満は将来の肥満の予備軍ばかりではなく、将来の健康生活を阻害する要因ともなります。肥満をめぐる最新研究から、隠れ肥満を退治し、美しい健康容姿をキープする「食のライフスタイル」をユーコ先生に提案していただきます。
WHO基準では肥満の日本人女性は3%
肥満度(BMI)25以上の肥満の割合
(20歳以上)

資料 平成19年国民健康栄養調査結果から
日本人の女性は、本当に太っているのでしょうか。毎年厚生労働省で調査されている国民健康栄養調査結果では、肥満度を示す指標Body Mass Index(BMI)による判定で25以上を示す女性の肥満者は、20歳から70歳以上で平均約20%。20歳代で7.2%、30歳代で14.7%、40歳代になると20%です。
この判定は日本肥満学会による判定基準であり、世界保健機構(WHO)の肥満判定基準は、BMI≧30です。WHOの基準で判断すると肥満の女性は、約2~3%程と言われています。1976年頃から比べてみても女性は、ほとんど変化がありません。
一方、BMI<18.5のやせの女性は、この20年間で平均してじわじわ増加を示しています。特に20歳代の女性のやせの割合はもっとも多く、国民運動でもある「健康日本21」では、目標を15%以下にしたかったのですが、平成21年の調査結果では、22.3%を示しました。結論としては、日本の女性は太っていないと言えると思います。
ただし、将来自分が本当に太らないといいきれるかどうかは疑問です。
なぜなら、隠れ肥満の問題を抱えているからです。
やせているのに体脂肪率の高い「隠れ肥満」の増加

徳野先生の調査結果では、女子学生における隠れ肥満者(BMIは肥満ではないが、体脂肪率が30%以上を示す)は、133人中27%を示しました。全体での調査ではないため27%は高い値かもしれませんが、最初に調査した1996年では7%、2004年では10%でした。隠れ肥満者については増加していると考えられます。やせているのに体脂肪率は、肥満体型に近い体脂肪率を持っているのです。
実際、同じBMIで比較してみると、体脂肪率の高い人ほどぽっちゃりと見える傾向があります。腕などの周径囲も太いです。子供の頃にスポーツをしっかりしていたが、20歳すぎてから運動を全くしなくなった人に多いようにも思われます。このような人たちは、二の腕あたりを触ると少し固く、体重が落ちにくいです。
一方、子供のころから特別なスポーツを行ってなく体脂肪率が高い人の二の腕は、赤ちゃんのようにポヨポヨしています。体脂肪率が高いということは、脂肪細胞も多いかもしれません。正常な人に比べて筋肉や骨や内臓が少ないのです。
隠れ肥満の方たちは、今の食事には問題はありませんか?
不必要なダイエットは行っていませんか?現代の女性において、不適切なダイエットが、かえって体脂肪率を高めている可能性があると思います。ダイエットを行う場合は、適切な方法で取り組みましょう。
不適切な食事の仕方が体脂肪率を上げている?
第1回目で、体型は普通だけど、体脂肪率が高い隠れ肥満の女性が増えてきたことをお話ししました。では、なぜそのような隠れ肥満の人が増えてきたのでしょうか。ちょっとご自分の食生活を振り返ってみてください。隠れ肥満ではないかと思われる方は、こんな食生活になっていませんか?
以上のような食生活に心あたりはありませんか。①は欠食、②から⑤は偏食。欠食も朝食だけを食べない欠食とは限りません。偏食も簡単にバランスが悪いことを意味しますが、自分では気を付けているはずなのにかえってそのことが偏食を作り上げているのです。
このような食生活を送っていると、体を動かすべきエネルギーの生産に結びついていかず、結局体がだるい、動きたくないといった気持をつくりあげ、ちょっとした生活の中でのエネルギー消費(例えば階段を使うとか、ちょこちょこ細目に動くとか)が少なくなり、そのことが筋肉をうまく作ることへ結びついて行かず、なぜか体は細いのに筋肉がつかず、脂肪が多い、隠れ肥満の体型を作りあげています。将来このような体型を続けていると、高齢になるしたがってじわじわと体重を増やしてしまいますので気をつけてください。
今の食生活をちょっとだけ見直してみませんか。
不適切な食事の仕方が体脂肪率を上げている?
健康で美しい姿をキープするためには、いろいろなことをクリアしていかなければならないでしょう。でもそのきっかけが食からでもいいのではないでしょうか。食事をしっかりすることで、体にたくさんのエネルギーを充電させることができると、自然と気持ちも体全体も、自分が望む方向へ動いてくれるようになります。そのきっかけが食だと考えてもらえればと思います。

自分の食事の量は、エネルギーを充電できるほどの量ですか。

充電できるエネルギーの基は、食事です。食事からではなく太陽からですと言ってしまえば、植物と同じ光合成ができることになりますが、それはないはずです。やっぱり食事からなのです。その食事の量が、おにぎり1個だったり、1日1回の食事であったり、お菓子だけで食事が終わってしまっていたら、充電に必要なエネルギーは体の中に生れてきません。私たちの体は、寝ている間も心臓が止まるまでエネルギーを使い続けているのです。女性であれば、最低、お米であれば女性用のお茶碗1杯(150g)、パンであれば6枚切り食パン1枚半程度は1回の食事でとってもらい、そこへおかずを用意してほしいものです。なぜごはんの量に注目したのかというと、適正な体型を維持している人たちは、ごはんをしっかり食べている人が多いからです。また、ごはんはおかずが必要です。パンや麺類と異なり、自然とおかずもバランスよく食べることへつながってくるからです。
以前の調査では、体脂肪率の低い人は、豆腐、納豆製品を含む豆・豆製品の摂取量が多い傾向があるという結果がでました。
自分の食事の質は、効率の良いエネルギーに変えられる食品で構成されていますか。

食事の質です。充電できるエネルギーをつくりだすために食事はしていますと言う人がいるかもしれません。以前、人口密度の高い地域(T群)と人口密度の低い地域(S群)での食と体の調査を行いました。T群の方が体脂肪率は低かったにもかかわらず、S群よりも、1ヶ月のパスタ・ピザ、フライドポテト、ハンバーガーやチーズバーガーの摂取頻度が高い結果がでました。本来、高エネルギーの食品ですから、体脂肪率も高くなってもおかしくないのに。でもこのような食生活を続けていると、年をとるに従って体にも影響がでてくるはずです。脂質は、1gあたり9kcal、炭水化物・タンパク質は1gあたり4kcalです。脂質の方が量は少なくても摂取エネルギーは高くなります。でも本当に、エネルギーは充電できたのでしょうか。それは違います。すぐに効率の良いエネルギーに変わるのは、炭水化物です。つまりお米なのです。1回、1回の食事で十分にご飯を食べることができたら、お菓子の量も減ります。また、効率の良いエネルギーに変換されるため体のキレもよくなり、自然と日常生活の中で体をこまめに動かすようになるのです。それでもお菓子が食べたい人へ。おむすび1個食べてアイスクリームや、お饅頭を食べてください!!
それを繰り返していくうちに、1回の食事でのご飯もしっかり食べられるようになり、お菓子の量が減ってきます
3.	自分の食事が、効率の良いエネルギーに転換させることができる胃腸へと流れていっていますか。

最後に、ご飯をしっかり食べても、効率の良いエネルギーに変換してくれるはずの胃腸に問題があったら、エネルギーを十分に充電させることはできません。胃に負担がかかる食事をしていませんか。便秘になりやすくありませんか。胃の動きを低下させる食品は、お茶です。特にカフェインの強いものです。従って緑茶も紅茶もコーヒーも該当します。緑茶の中のカテキンは、殺菌作用や脂肪を燃焼させる効果もありますが、カフェインの弊害により、かえって胃腸の弱い人たちにとっては悪影響を及ぼす可能性があります。そのような人は、まず効率の良いエネルギーを充電させることを第一優先にしてください。カフェインの入っていない麦茶や、たんぽぽ茶や、柿の葉茶をお勧めします。ルイボスティンなどのお茶もいいと思います。また、揚げ物などを食べる時には、消化の働きを助けてくれる大根おろしといっしょに食べてください。りんごと大根のすりおろしをしばらく毎日食べると胃の働きを良くしてくれます。こんにゃくは腸をきれいにしてくれます。水分補給と食物繊維をしっかり食べることが、便秘予防にもつながります。丈夫な胃腸を調えることも、体へエネルギーを充電させるためにとても大切なことです。
隠れ肥満を退治する超簡単レシピはあるの?
さて、今回が4回目となります。隠れ肥満について少しご理解いただけたでしょうか。自分はどうだろうと思われた方もいるのではないでしょうか。日頃の自分の食生活をまずは、見直してみてください。やせていても体脂肪率が多いことは、あまり良いことではないのではと思ってくださっただけでもいいです。まずは自分で気づいてみることが第一歩です。
隠れ肥満について少しご理解いただけたでしょうか。体型よりも食事スタイルに問題があるのではと気が付いていただくだけでもOKです。まずは自分で気づいてみることが第一歩です。過度な心配は必要はありませんが、食事スタイルを見直すことは、様々な意味でとても大切だと思います。そして、隠れ肥満を退治する食事といえば、前回お話しした、体を動かすためのエネルギーをつくるための食事なのです。ここでは、買って食べることよりも、自宅で簡単に作れる食事をお知らせしたいと思います。家でつくる食事は、環境汚染や、残留農薬といった食品の安全性を確保する面からいっても優れています。隠れ肥満でも、1回目に記入したように皮下脂肪型の場合は、食事ではなかなか上手くいきません。
内臓脂肪型であれば、私が3年間研究を進めてきた南米のイモ”ヤーコン”を毎日50gから100g3カ月摂取すると(ただしオリゴ糖が多いため、下痢になったときは様子をみてください。)、隠れ肥満者を中心とした肥満傾向者の体脂肪率は、摂取終了後3か月後から減少傾向を示しました。さらに、効果的に減少をさせるためにはやはり運動、実験では1万歩を摂取終了後も続けてもらうと、効果的な体脂肪率の減少を示しました。
季節も冬の時期の食材ですから、春気候が良くなることで、自然に体も動きだすちょうどそのタイミングに、体を動かすことも体脂肪率の減少に役立っていると考えます。

レシピ ライス
レシピ
今回、なんといってもエネルギーを作り出す基本であるお米に注目し、簡単なレシピを紹介します。
ライスパスタ DE ちゃんぽん風 うなぎの混ぜごはん

土用の日は、いつもと違った混ぜごはんで!きゅうりと青じそのさっぱり感がうなぎに合います。

調理時間:10分
カロリー:504kcal
塩分:0.7g
※カロリーと塩分は1人前の値です。

材料(4人前)

材料名

分 量

目安量

ごはん

720g

うなぎの蒲焼き

200g 2串

きゅうり

100g 2/3本(中)

青じそ

10g 10枚

100g 2個

少々 少々

10ml 小さじ2

粉山椒

適量 適量
エネルギー 504kcalたんぱく質 19.0g脂質 15.3g
炭水化物 69.3gカルシウム 103mg鉄 1.1mg
食塩 0.7gビタミンA 648μgビタミンB1 0.30mg
ビタミンB2 0.37mgビタミンC 2mgビタミンE 2.8mg
食物繊維 1.0gコレステロール 204mg
作り方
1. うなぎの蒲焼きは縦半分に切って1cm幅に切り、オーブントースターで温める。
2. きゅうりは輪切りにして塩少々(分量外)でもみ、しんなりしたら水気を絞る。青じそは千切りにする。
3. 卵は塩を加えて溶きほぐし、熱した鍋に油を入れ、菜箸数本でかき混ぜて炒り卵を作る。
4. 卵は塩を加えて溶きほぐし、熱した鍋に油を入れ、菜箸数本でかき混ぜて炒り卵を作る。
5. フライパンに油を熱し、しょうがを香りが出るまで炒める。次に豚肉、にんじん、たまねぎ、キャベツ、かまぼこの順に加え強火で炒める。最後にイカ、エビ、もやしを加え3を入れる。
6. あたたかいごはんに蒲焼きのたれ(蒲焼きについているもの)、粉山椒を加えて混ぜ合わせ、1、2、3を加えてさっと混ぜ合わせる。
ライスパスタ DE ちゃんぽん風 かきのみそ焼き丼

旬の食材を使った、パッと手早く作れる丼です生のピーマンのシャキシャキとした食感もごはんとよく合います

調理時間:30分
カロリー:455kcal
塩分:4.0g
※カロリーと塩分は1人前の値です。

材料(4人前)

材料名

分 量

目安量

ごはん

600g

かき(むき身)

300g 30個

もやし

250g 4強カップ

ごま油

13ml 小さじ2・2/3

みそ

72g 大さじ4

赤みそ

24g 大さじ1・1/3

60ml 大さじ4

みりん

30ml 大さじ2

豆板醤

3g 小さじ1/2

ピーマン

35g 1弱個

赤ピーマン

35g 1弱個
エネルギー 455kcal
たんぱく質 16.3g
脂質 7.2g
炭水化物 73.5g
カルシウム 89mg
鉄 3.5mg
食塩 4.0g
ビタミンA 42μg
ビタミンB1 0.13mg
ビタミンB2 0.20mg
ビタミンC 23mg
ビタミンE 3.0mg
食物繊維 3.3g
コレステロール 60mg
作り方
1. かきはあらかじめ下ごしらえしておく。
■かきの下ごしらえ
(1)汚れの少ないかきは、塩水で洗います。
(2)一般的な方法としては、大根おろしの中へかきを入れ、よくまぜ合せます。
大根おろしの分量はかき1カップに対し1/2カップを目安にしてください。
(3)水を加え、目の粗いざる中で振り洗いし、ペーパータオルで水けを十分ふきとります。
2. フライパンにごま油を熱し、1のかき、もやしの順に加えていため合わせ、味をととのえる。
3. ピーマン、赤ピーマンは種をとり除いて細切りにする。
4. 器にごはんを盛り3をのせ、4を散らす。
ひとさじメモ
もやしのひげをとるとさらにおいしくできあがります!

 

 

ライスパスタ DE ちゃんぽん風 あさりとわかめのおにぎり

旨味の詰まった手作りのあさり佃煮はごはんとの相性もバッチリです

調理時間:30分
カロリー:334kcal
塩分:2.9g
※カロリーと塩分は1人前の値です。

材料(4人前)

材料名

分 量

目安量

ごはん

600g

あさり(殻つき)

400g 2・1/3カップ

50ml 大さじ3・1/3

しょうゆ

45ml 大さじ3

みりん

45ml 大さじ3

生わかめ

30g

白ごま

18g 大さじ2

青じそ

8g 8枚
エネルギー 334kcal
たんぱく質 8.3g
脂質 3.0g
炭水化物 64.3gカルシウム 98mg鉄 2.4mg
食塩 2.9gビタミンA 18μgビタミンB1 0.05mg
ビタミンB2 0.25mgビタミンC 0mgビタミンE 0.2mg
食物繊維 1.3gコレステロール 16mg
作り方
1. あさりは砂出しし、熱湯でゆで、身をとり出す。
2. 分量の水にしょうゆとみりんを加え煮立たせ、1のあさりを加え、煮汁がなくなるまで煮含める。
3. わかめは水に浸けて塩抜きし、流水で洗い水気を絞り、細かく切る。
4. ごはんに2のあさり、3のわかめ、白ごまを加えてまぜ合わせ、おにぎりを8個作り、青じそで包む。
メモ
このおにぎりのポイントは、なんといってもわかめです。わかめに含まれている豊富なヨウ素は、基礎代謝を活発にしてエネルギーを根本から作り出してくれます。さらに甲状腺ホルモンと関係し、精神を安定させ、心身ともに活性化してくれる働きがあるため、自然と体を動かしたくなります。もちろんあさりも代謝の働きを助けるビタミンB12や鉄分が多く含まれています。そのことは同時に、他のビタミンB群やマグネシウムをはじめとするミネラル類も豊富に入っていることを意味します。
このように、食材のもっている力を借りて体脂肪率の減少を進めていく方法もありますが、隠れ肥満には、やはり筋力アップが効果的。食事をすることで体を動かし、その結果体力がつくようになれば、おのずと体脂肪率は減り、筋力がアップします。そのエネルギーの源のお米を中心に、しっかりとした食事を行ってほしいと思います。

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