健康

【医師監修】子宮がん特集 Part5 女性のこころとからだ事典Q&A 2

■記事監修医師
・女性のこころとからだ事典 からだ編 記事監修
東京都立築地産院産婦人科医長経て
いけした女性クリニック銀座 院長
池下 育子 先生

産婦人科医
医療法人社団鳳凰会フェニックスメディカルクリニック理事長・院長
賀来 宗明 先生

子宮がん特集 Part5

●費用について

Q9 円錐切除術の入院日数と費用はどれくらい?
A9 円錐切除術は、外来でできる病院もありますし、入院しても2、3日~1週間です。費用は、保険診療であれば、10万~20万円程度が多いでしょう。
Q10 子宮全摘手術の入院日数と費用はどれくらい?
A10 子宮全摘の場合、子宮だけを切除するのか、周囲の組織も取るのか、また放射線や抗がん剤を使うか、合併症や副作用はあるか、個室か大部屋かなどの条件によって日数も費用もかなり違いがあります。単純子宮全摘で術後の経過がよい場合、最低で2週間から1ヶ月は入院となりますし、体力が落ちていればもっと長くなることもあります。費用はだいたい百数十万円程度ですが、保険がききます。高額医療費制度により、差額ベッド代などを除いた医療費のうち、月6万3600円以上は、健康保険でまかなわれます。
Q11 保険に入っていれば、治療費はおりる?
A11 保険の保障内容によります。がん保険の場合でも、0期の上皮内がんは給付の対象にならないものもあります。また最近では、短期の入院でも保険がおりる商品もあるのできちんと確認しましょう。
●手術後

Q12 子宮を取るとどういう変化があるの?
A12 子宮を取ると、生理がなくなって妊娠・出産はできませんが、卵巣のように女性ホルモンを分泌しているわけではないので、何の変化もありません。セックスもそれまでと変わりなくできるのです。
Q13 卵巣を取るとどんな変化があるの?
A13 卵巣には女性ホルモンを分泌する働きがあります。卵巣を取ると女性ホルモンが分泌されなくなり、のぼせや動悸、めまい、倦怠感など更年期のような症状が出ることがあります。女性ホルモンのひとつであるエストロゲン(卵胞ホルモン)には、骨粗しょう症や動脈硬化を防ぐ働きがあるので、卵巣を取るとそういった病気にもなりやすくなります。そこで、若くして卵巣を取った場合、ホルモン補充療法で症状を抑えることが多くなります。
●その他

Q14 子宮がんに遺伝ってあるの?
A14 中には遺伝的要因もあるかもしれませんが、今のところ確認されていません。それよりむしろ、頸がんについては、セックスによるヒトパピローマウィルスへの感染が大きな要因となります。
Q15 子宮がんで死ぬこともあるの?
A15 子宮がんは1970年代中ごろまでは、女性のがんによる死亡原因の第2位でしたが、現在では治癒率があがり、第6位になっています。早期に発見すれば、100%治る病気になりました。もちろん症状が出ても放っておけば死に至る病気です。ただ、年一回の検診を欠かさなければ早期に発見できますし、症状が出てからでも決して遅すぎることはありません。いたずらに恐れず、すぐに受診しましょう。
Q16 少しでも早く気づくにはどうすればいい?
A16 とにかく年一度の定期検診を欠かさないことです。特に、早期の頸がんはほとんど症状がないので、定期検診以外に発見するのが難しいのです。内診には抵抗があるかもしれませんが、がんになってしまったら、それこそ何度も検査を受けることになるのです。一度でもセックスの経験があれば頸がんの検診を、また生理不順だったり不正出血がある人、閉経後は体がんの検診も受けましょう。もちろん不正出血や、いつもと違うおりものなどがあった場合は、すぐに婦人科を受診することが大切です。

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