健康

不妊治療から見えた「女性の体のタイムリミット」

みなさん、
「妊孕性(にんようせい)」という
言葉をご存知ですか?

あまり耳慣れない言葉ですよね。

これは「妊娠しやすさ」を表す言葉。

世界的にみても、
日本はこの「妊孕性」の知識が、
非常に低いと言われています。

自由で多様な生き方が選択できる今、
女性が子供を
「産む」「産まない」の選択もまた個人の自由。

不妊治療の飛躍的な医療の発展と、
高齢出産の増加により、
さらにその「妊孕性」について
誤解している人も
少なくはないと思います。

 

日本人の妊孕性への理解

日本でピルを飲んでいる人の割合は
たったの5%で、
避妊用の器具を使用している人は
1%にも満たしません

欧米諸国では4割以上がピルを使用し、
ピルの使用が比較的少ない中国ですらも、
子宮内避妊器具は40%も使われているのです。

世界各国の女性は、
自身の体と向き合い
様々な選択をしている中、
私たちがいかに受動的であるかが
分かりますよね。

自分の人生設計をする中で、
もし、いつか子どもが欲しいと
思っているのならば、

時の流れに身を任せるのではなく、
女性の体のしくみ、
そしてそこには、

誰しも必ず訪れる
タイムリミットがある

ということをみなさんと
一緒に私も勉強して行きたいと
思います。

 

2人目不妊と流産

さて、私は37歳で自然妊娠し、
第一子を出産しました。

この時点で、
すでに高齢出産ではありましたが、
それでも、またいつか2人目が
出来るだろうと
安易に考えていたものです。

しかし、
そこから5年妊娠の兆候がない中、
42歳になった2月、
双子を妊娠することができたものの、
9週で流産をしました。

そこで、あらためて、

自身の年齢と妊娠力
つまり、「妊孕性」について
考えるようになったのです。

 

卵子の数が
一番多いのは胎児期

卵子の数はどのくらい?

私たち女性が、
生涯で排卵する卵子の数は
400個~500個と言われており、

毎月1回の排卵には
約1000個消費され、
卵子の中で一番
いい卵子1個が排卵されます。
卵の元になる”原始卵胞”は
私たちがお母さんのお腹の中に
いる時がピーク
で、
その数は約200万個と言われており、

月経が開始する頃には、
最多時の1/3まで減っています。

一度つくられた卵子は
二度と増える事はなく
減り続け、
すべての卵子がなくなると
閉経になります。

個人差はあるものの
45歳~55歳頃が閉経期となり、

卵子の在庫がなくなるという点から、
妊娠を考えた場合、

「卵巣の機能や残されている卵子の数」
に十分な配慮が必要になります。

どれだけ医療が発達したとしても
妊娠を希望する女性にとって
自身の体のタイムリミットは
しっかり認識する必要が
あるということですね。

 

AMH検査で
タイムリミットをつける

先に書いたように、
卵子の数は胎児の時がピークで
その後、年齢とともに減っていき、
卵子の質も落ちていきます。

卵子の数が減るということは、
妊娠できる時期が
限られてくるということ。

そこで、
AMH検査と言うものがあります。
AMHとは、
抗ミューラー管ホルモンと
呼ばれる⼥性ホルモンの⼀種で、
「卵巣年齢を計る検査」です。
「自分は何歳くらいまで妊娠できるの?」

というタイムリミットつける目的で
検査する人も増えてきています。

 

わたしの不妊治療

現在42歳
そして今月43歳になる私は、
今年の5月から不妊治療を開始しました。

様々な検査ののち、
タイミング療法
人工授精
を行いましたが
妊娠には至りませんでした。

そして、女性だけでなく
男性の検査もしたところ、
男性因子による不妊と判断され
先日、採卵手術を行い、
顕微授精を行ってきました。

そうは言っても、
私自身の卵子も43年物なので
ヴィンテージ卵子。
様々な問題は避けられません。

例えば、
30歳で子どもを産んだ場合、
ダウン症の子が生まれる確率は
952分の1ですが、

35歳で産むとその確率は
385分の1

40歳なら106人に1人
確率が高まっていきます。

また流産する確率も

26歳~30歳が20%未満なのに対し、
40歳以上は30%~60%

非常に高くなります。

これはどれだけ医療が発達しても
回避することはできません。

これらの現実をきちんと理解し
自分の体と向き合いながら
現在治療を続けています。

 

保険適応は43歳未満

2022年4月から
保険対応となった不妊治療。
しかしこの適応には
年齢制限があります。

12月中旬に43歳を迎える私は、
それ以降この保険の
適応外となるわけです。

男性側には
この年齢制限はありません。

妊娠率は年齢と密接な関係があり、
一般的には35歳を過ぎると
大幅に低下すると言われており、

43歳以降の妊娠は極めて難しい
ということが言えるわけですね。

さて、現在43歳の私が
思うこと、それは、
もしいつか子どもが欲しいと
少しでも思っているのならば、
まずは病院に行き、
自身の体をチェックすることです。

妊娠の時期はまだ先になるとしても
若い今の卵子を凍結保存

することもできますし、

現在パートナーがいれば
不妊の原因の約半分は
男性因子との報告もある
ため、
男性側に不妊の要因がないか
早めにチェックすることも大事です。

何気なく過ごす1日1日は
間違いなく、
私たち女性の体の
タイムリミットに
近づく時間でもあります。

元気で過ごせる今から、
ライフプランを
しっかりとたてて、
早めの行動で自身の未来を
描いていきたいですね。

インスタもぜひご覧くださいませ!
https://www.instagram.com/womenjapan.tokyo/

関連記事

ページ上部へ戻る