健康
10.42014
【医師監修】便秘|女性のこころとからだ事典
■記事監修医師
・女性のこころとからだ事典 からだ編 記事監修
東京都立築地産院産婦人科医長経て
いけした女性クリニック銀座 院長
池下 育子 先生
産婦人科医
医療法人社団鳳凰会フェニックスメディカルクリニック理事長・院長
賀来 宗明 先生
女性の多くが悩まされている便秘。朝食を抜いて、トイレに行く余裕もないまま仕事へ出てしまうようでは、悪化するばかり。まずは、食事を中心に毎日の生活を見直しましょう。
便秘というのは、快便感がない状態をいいます。個人差があり、毎日便通があっても、残便感があって不快なら便秘といえるし、逆にたとえ2~3日に1回でも、適当なやわらかさの便が出てすっきりするなら便秘ではありません。
体内の老廃物が体に残り、ニキビや吹き出ものができやすくなったり、排便のときにいきんで痔になりやすくなります。慢性便秘のほとんどは、生活習慣などから腸の働きが鈍くなった機能性の便秘なので、それほど心配はいりません。しかし、中にはほかの病気が隠れていることも。しつこい便秘や、便秘と下痢が交互に起こる場合、胃や腸、婦人科系の病気やガンなどの可能性もあるので、早めに受診しましょう。
【不規則な生活習慣は便秘のもと】
慢性の便秘は、食生活の偏りや運動不足、不規則な生活、腹筋の弱さなどさまざまな要因が重なりあって起こります。朝食抜きで出社し、ゆっくりトイレに行くチャンスのないまますごしてしまうのも、よくありません。
【ダイエットやストレスが原因のことも】
ダイエットで食物繊維はおろか、ろくに食べものを摂らなかったりすると、便秘になるのも当然。最近では、ストレスから自律神経のバランスが乱れて、消化器系の交感神経が弱まり、腸の運動が鈍って便秘になる人もいます。また、女性の場合は、ホルモンの関係で生理前になると便秘ぎみになり、生理が始まると逆に下痢ぎみになることもあります。
便秘薬に頼りすぎると、本来の腸の反射が鈍くなります。これをつづけるのは危険なので、まず生活や食事を見直して、自然なお通じをめざしましょう。
朝起きてすぐに、冷たい水や牛乳などを飲むと、結腸に反射が伝わって便が出やすくなります。忙しくて朝トイレに行けないときは、職場などでもなるべく行くようにしたいもの。便意を我慢すると、後で出なくなってしまうのです。
バランスの良い食事を規則正しく摂りましょう。緑黄色野菜やゴボウ、海藻、きのこ類など食物繊維を多くふくんだ食品をたっぷり摂り、水分も多めに。野菜ばかり食べても、もとになるものがある程度なければ、便は出ません。無理なダイエットは禁物です。また、一日のうちでもっとも排泄刺激を受けやすい朝に、食事を抜くのはやめること。
適度な運動は胃腸の動きを促進します。また、腹筋を鍛えると効果的です。毎日少しずつ腹筋運動をするといいでしょう。
腹部をマッサージ
腹部をやさしくマッサージすることも効果的です。
illustration/Tomoe Sasaki
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