健康
10.22014
【医師監修】胃潰瘍 女性のこころとからだ事典
■記事監修医師
・女性のこころとからだ事典 からだ編 記事監修
東京都立築地産院産婦人科医長経て
いけした女性クリニック銀座 院長
池下 育子 先生
産婦人科医
医療法人社団鳳凰会フェニックスメディカルクリニック理事長・院長
賀来 宗明 先生
胃潰瘍は、ストレスの影響を受けやすい病気。男性に多い病気でしたが、女性の社会進出が進むにつれて、女性にも増えてきました。心身をリラックスさせて、ストレスに強くなることが一番の予防です。
●ストレスで胃がシクシク。これって胃潰瘍?
みぞおちの痛みや酸っぱいゲップ、胸やけがつづくようなら要注意です。
・ みぞおち(上腹部)の痛み。特に食前や夜中、食後2~3時間後に
痛むことが多い
・ 酸っぱいげっぷや胸やけが続く
・ 食欲不振
・ 黒っぽい血を吐いたり、コールタールのような便が出れば、胃や腸から出血している可能性も
●胃潰瘍ってどんな病気?
胃から分泌される胃酸には、食べものを分解し、外からの細菌の侵入を阻止するペプシンという成分が含まれています。これは強い成分で、そのままでは胃の粘膜をも溶かしてしまうほど。そのため、胃の粘膜は自らを守るための粘液を分泌しています。ストレスや不規則な食事などで、胃酸の分泌が増えたり、粘液の抵抗力が弱まったりして、胃酸と粘液のバランスが崩れると、胃酸が胃や十二指腸の粘膜を溶かしはじめ、傷ができたり穴があいたりするのです。
●胃潰瘍の原因は?
・ 多忙、緊張、イライラ、不安などのストレス
・ 早食いや寝る前に食事をする習慣
・ 痛み止めやステロイドなどの薬が原因のことも
・ ヘリコバクターピロリ菌などの感染
・ タバコや酒の飲み過ぎ、など
●どんな治療が必要なの?
レントゲン検査と胃カメラで潰瘍が見つかれば、おもに薬で治療します。最近では、手術をすることはほとんどなくなりました。また、原因となったストレスを取り除いてゆっくりと休み、きちんとした食生活を送ることが何より大切です。
●再発の心配は?
治療すれば数ヶ月で治りますが、忙しくストレスの多い生活に戻れば、すぐに再発してしまいます。また、自覚症状のなくても潰瘍ができていることもあります。胃弱を自覚している人は、定期的に検査を受けましょう。
●胃潰瘍をケアしよう!
・ ストレスをうまくコントロール。消化がよく、バランスのとれた食事を心がけましょ
・ ストレスをうまく解消して、リラックス。充分な休息をとる
・ 塩分や香辛料の強い食べ物を避け、消化が良く栄養バランスのいい物を規則正しくゆっくり食べる
・ お酒は控えめに。飲む前に、牛乳やチーズなどを食べて胃を保護しておく
text/Mami Kakuta
illustration/Tomoe Sasaki
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